世界的な不動産デベロッパーとして知られる Emaar(エマール)は、ドバイを拠点に都市開発・住宅・商業施設・リゾートを一体で展開してきました。
同社の特徴は、単なる不動産開発にとどまらず、「街そのもの」を創り上げる点にあります。生活、商業、レジャーを融合させた総合開発モデルは、多くの投資家にとって成功事例として語られてきました。
こうした背景から、新興国や成長市場において「第二の Emaar」となり得る存在を探す動きが生まれています。
エジプトは人口増加と都市化が同時に進む国のひとつです。新都市開発や住宅需要が高まるなか、政府主導のインフラ整備や外資誘致策が不動産市場を後押ししています。
大規模な複合開発を可能にする土地供給力と、若年層を中心とした旺盛な住宅需要は、長期的な成長余地を感じさせます。一方で、為替、政治、制度面の変動リスクも無視できません。
エジプト市場は、「Emaar 型モデルが成立しうる土壌」を持ちながらも、慎重な見極めが求められる市場と言えるでしょう。
ジョージアは、コーカサス地域に位置し、自然環境・観光資源・投資環境の面で注目を集めています。
山岳リゾートや温泉地、都市再開発が進み、国際的なホテルブランドや不動産開発が入り始めています。特に観光・リゾート分野では、中東や欧州からの需要が増えています。
ただし、現時点では Emaar のような巨大デベロッパーが存在するわけではなく、市場はまだ発展途上です。その分、成長初期段階ならではの可能性を秘めているとも言えます。
結論として、エジプトにもジョージアにも、現時点で Emaar と同等の存在が明確にあるわけではありません。
しかし重要なのは、「Emaar と同じ企業を探すこと」ではなく、それぞれの国が持つ成長の形を理解することです。
エジプトは人口と都市化を軸とした内需型の成長モデル。
ジョージアは観光・リゾートを起点とした外需型の成長モデル。
両者は異なる道筋を描きながら、不動産市場としての魅力を高めています。
・成功モデルをそのまま当てはめようとしない
・国ごとの人口動態、政策、需要構造を理解する
・「次の Emaar」ではなく「次に伸びる市場」を見る
・短期ではなく、段階的な成長ストーリーとして評価する
不動産投資において重要なのは、派手な成功例を追うことではなく、どこで、どのような成長が起こるのかを冷静に見極めることです。
エジプトとジョージアは、それぞれ異なる形で、次の可能性を示し始めています。